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2012.11.20

山中教授の研究

小室暁医師は、大阪市の天王寺中学校の学校歯科医をしております。天王寺中学校生への歯科啓蒙活動の一環として、学校が定期的に発行する健康便りに投稿しております。その一部をご紹介いたします。

山中教授の研究

天中生の皆さん、こんにちは。小室歯科近鉄あべのハルカス診療所、天王寺中学校学校歯科医の小室暁です。
私は校長先生、保健の浅野先生をはじめ天王寺中学校の関係者の方々のご厚意で、保険便りの紙面をお借りして、2007年から年数回歯の健康に関する話題を寄稿させていただいています。しかし、今年は冬に寄稿させていただいたきり、今まで寄稿ゼロであったことに気づき、大変反省しています。
また、今年は一年生の生徒にはこの十一月、二年生にはおそらく来年一月ごろに皆さんに歯の講話もさせて頂きます。よろしくお願いいたします。
ところで、皆さんは山中教授のノーベル賞の受賞についてのニュースをご覧になりましたか?これは、iPS細胞といって人の皮膚細胞から、幹細胞を作成することに成功したという画期的な研究です。幹細胞とはこれから色々な種類の細胞になっていく元の細胞で、この細胞が分化して、骨とか皮膚といったそれぞれ特徴を持った細胞になるのです。このような研究が天王寺で高校時代を過ごされ、関西で研究された先生によってなされたことは、大変誇らしいですね。
それではみなさんはこのような再生医療の研究を使って、歯科ではどのようなことが出来そうか、想像できますか?昨年の秋にも書いたのですが、まずは歯の元になる細胞を条件を整えて培養すると歯の種状の組織ができる様になっています。さらにネズミではそれを顎に埋め込むとうまくいけば口の中に生えさせることができるようになりました。この春にこの分野の第一人者の方のお話を伺ったのですが、歯というのは構造が非常に複雑で一筋縄には行かないものの、ヒトでの実用化について20年先くらいまでのロードマップが示されていました。
また、歯周病といって、ハブラシの不足などにより歯の周りの骨が溶けて痩せ、最終的にはぐらぐらになる病気があり、これは成人であればほとんどの人がかかっているのですが、このような病気で失われた骨も再生医療を使うと再生できるかもしれません。現状でも特殊な手術をすることで場合によっては改善可能ですが、まだまだ完治は難しいのです。
いずれにせよ、画期的な基礎研究が進んでいるものの、再生医療の実用化はまだまだです。しかし私が歯学部を卒業した17年前よりも、歯科の分野でも随分と不可能が可能になってきたことも事実です。皆さんもいろいろなことに疑問、興味を持ち、ぜひしっかり勉強して、この中から医療の技術を一緒に進歩させてくださる仲間が出てこればなあと思っています。