どうして咬み合わせ・歯並びは乱れるのでしょうか?
どうして咬み合わせや歯並びが乱れるのか、不思議に思われる方も多いのではないでしょうか?咬み合わせ・歯並びが乱れる原因は様々ですが、大きく「遺伝的要因」と「環境要因」とに分けることができます。
遺伝的要因というのは、「生まれつき歯が大きい」「生まれつき顎が小さい」などの原因のことです。そして、環境要因というのは、お口まわりの筋肉の機能不全、指しゃぶり、いつも口をぽかんと開けている(口呼吸)、舌を前に出す(舌突出癖)、よく咬まずに食べる、頬杖、悪い姿勢などの癖や生活習慣のことです。これらが原因で咬み合わせ・歯並びが乱れることがあります。
歯並びを悪くする癖
- 指しゃぶりをしている
- 爪を咬んでいる
- 唇を咬んでいる
- 舌先がいつも上下どちらかの前歯の裏に触れている
- 舌先がいつも上下の前歯の間に触れている
- ものを食べる時、舌を出して迎えに行っている
- 頬杖をつく
- ものをよく咬まずに食べている
- 水を飲まないとものが食べられない
- 硬いものを食べるのが苦手
- 猫背などの悪い姿勢
- いつも横向きで寝ている
- いつもぽかんと口を開けている
- 風邪を引きやすい
- 歯ぎしり・食いしばり
お口まわりの筋力を鍛えて咬み合わせ・歯並びの乱れを予防します
咬み合わせや歯並びの乱れが、指しゃぶり、口呼吸、舌突出癖などのお口まわりの癖が原因の場合には、MFT(口腔筋機能療法)を積極的に行って予防します。
MFTというのは、お口まわりの筋肉や舌の動きなどを正すことで、食べる(咀嚼)、飲む(嚥下)、発音、呼吸、舌の位置、口唇の位置などを改善する簡単なトレーニングです。
お口まわりの筋肉が弱くてバランスが崩れていると、前歯が舌で押されて前歯が咬み合わず隙間ができたり(開咬)、出っ歯(上顎前突)になったり、受け口(反対咬合)になったりすることがあります。このような不正咬合の原因となることがあるお口まわりの癖を取り除いて、咬み合わせと歯並びの乱れを予防するのがMFTの大きな目的です。
リラックス時の正しい舌の動き・お口まわりの状態
- 舌の先端がスポットポジション(上の前歯のすぐうしろ、歯ぐきがぷくっとふくらんでいるとこと)に付いている
- 唇が軽く閉じている
- 鼻呼吸をしている
- 上下顎の歯列の間が数ミリ空いている
MFT(口腔筋機能療法)ではこんなトレーニングをします
スポットポジション
舌の先端をいつもスポットポジション(上前歯のうしろの歯ぐきがぷくっとふくらんでいるところ)に付けておくトレーニングです。
鼻で呼吸をしている時や、ものを飲み込む時などにも舌の先端がスポットポジションにあるようにします。
ポッピング
舌を上に持ち上げるトレーニングです。
舌の先端をスポットポジションに付け、舌全体を上顎の裏側に吸い上げて、お口を大きく開けて舌で上顎を弾くようにして「ポン」と音を立てることで、咬む力と舌を持ち上げる力を強化します。
音を出す時には、できるだけ舌小帯(舌の裏側のひだ)を伸ばすようにします。
Q&A
口腔筋機能とは一体何ですか?
口腔筋機能というのは、舌、唇、頬の筋肉、咬む筋肉、喉の筋肉など、ものを食べたり飲んだりする時や、誰かと話をする時などに使うお口まわりの筋肉の機能のことです。これが低下していると、歯並びや咬み合わせの乱れを招いてしまう場合があります。
MFTではどんなトレーニングを行いますか?
主に、舌の先端をいつもスポットポジション(上顎の前歯の少し後ろ)に付けておくトレーニングや、咬む力と舌を持ち上げる力を強化するトレーニングなどを行います。
口まわりの癖を放っておくとどうなりますか?
指しゃぶり、舌を前に出す(舌突出癖)、口呼吸などのお口まわりの癖を放っておくと、出っ歯や受け口、開咬などの不正咬合の原因となったり、矯正歯科治療で十分な効果が得られなかったりする場合があります。それ以外にも、矯正装置を取り外した時に歯並びや咬み合わせが後戻りしてしまう場合もあります。
MFTは歯並びに対してどんな影響がありますか?
患者さんによっても異なりますが、矯正装置を使用しなくても、お口まわりの筋肉の機能が改善されるにつれて歯並びが整う場合があります。