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2018.05.10

デジタルデンチャー研修1・2 : アマンギルバッハ社

セレック通信

アマンギルバッハ社は製造メーカーであるAmann Dental GmbHとドイツ国内で長い歴史のある販売メーカーのGirrbach Dental GmbHが共同で事業拡大を行い、更なる成功を追及するため、2004年に誕生した会社だそうです。

昔から、上下の歯の噛み合わせを技工士さんが作るときに、正確に患者さんの状態を写し取る、咬合器と言う機械があるのですが、その咬合器を、作っているメーカーとして、日本の歯科医師の中では有名でした。また、技工士さんの世界では、ヨーロッパでは、すでにシェアが、ナンバーワンの大きな会社だそうです。

今回、そのような伝統ある会社に、日本の歯科医師では初めて、お邪魔して研修することができました。研修センター、工場は、我々の宿泊の拠点であるフェルトキルヒから、車でおよそ15分のところにありました。このようなところに、世界最高峰の歯科製造会社があるのかと思うような、緑豊かな場所にアマンギルバッハ社はあります。早速、研修センターに入り、研修を受けました。

1日目は、主に、現在のアマンギルバッハ社のCADCAMシステムについてのレクチャーと、実演が行われました。この日は主に、クラウン(被せ物)や、インプラントの上部構造についての作成方法や、そのソフトの扱い方について学びました。
我々が、現在使っているセレックでは削ることができない、チタンも自在に精密に削り出せることが非常に印象的で、精密に技工をする為の最新技術が随所にこらされているように思いました。歯を削り出す前に、被せ物や、詰め物や、インプラントの上部構造の形の上デザインを、ソフト上でするのですが、そのソフトも、実際に使用することができました。このソフト自体も、ラボユースではありますが、非常に使用感の良いもので、我々のように、日常臨床でセレックのソフトを使っている人間にとっては、基本は使いこなせていけそうなものでした。夕方は、工場も見学させていただきました。人が組み立てるアナログの部分と、在庫管理などデジタルの部分を融合させた、非常に同一らしい合理性に基づいた、素晴らしい工場のように思いました。

実は、工場見学する前は、もっと機械化されたものを想像していたのですが、やはり大事なところは、人の手に委ねられておりました。CADCAMの世界でも、最終的に機械が作った制作物を、技工士が微調整して完成させることが非常に重要になると考えています。そこに通じるものを感じ、不思議な納得感がありました。

研修2日目は、アマンギルバッハにて、デジタルデンティストリーにて入れ歯を作る新しい技術の紹介と実習を行いました。

先日のブログでも紹介したように、CADCAMで入れ歯を作るのは、被せ物や、詰め物作るのよりも、数段難易度が高いと感じています。
それは、入れ歯の場合、いつも動く粘膜を型取りしなければいけないと言うことと、入れ歯は、歯の部分と、粘膜の部分でできているので、それぞれの、色や、機能の違う部分を、組み合わせて作るのは、難しいと思うからです。

しかし今回のアマンギルバッハでの、新しい入れ歯の作成システムは、非常に進歩していることを感じさせました。平均的な入れ歯を、非常に簡単に作るシステムと、こだわった高品質の入れ歯を作る方法、この2つのシステムに分かれており、それぞれに、噛み合わせの取り方を、工夫していることが印象的でした。噛み合わせを取った後は、それをデジタルで取り込んで、入れ歯にしていくのですが、この方法も、非常に簡単に扱えるようになってきていると感じました。

平均的な入れ歯を作るほうの顎の型取りや噛み合わせの型取りは、歯科医師から見れば、目からウロコのような、非常に簡略化された方法であったものの、患者さんの顎の状況によっては、使えるかもしれないと思わせるものではありました。
もしかしたら、簡略化された方法は、日本人の顎には、合わないかもしれませんが、やはり欧米の合理化された考え方には、非常に学ばされるものがありました。

また、精密につくろうと思えば、相当なレベルでソフト上に作り込むことが出来、それを馴れれば短時間で出来そうな所にも魅力を感じました。
後は、かみ合わせの与えかた、材料の選択など、日本とヨーロッパで、デジタル関係なしに、入ればに対する考え方が違う部分もあり、その部分にも、非常に衝撃を受けました。国によって、医療保険のあり方や、患者のニーズ、顎の形などにより、求められる臨床も変わってくるのだと言うことを、痛切に感じました。これからも、欧米の技術を、安易に日本に取り入れるのではなく、日本に合った臨床とは何かを、よく咀嚼して取り入れるべきだと、改めて考えています。

この日の夜は、所属する学会の会長先生を始め、新たな仲間の10人ほど増え、ますます賑やかとなり、明日からの、オーストリアでの研修に備えました。

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