最新NEWS

2026.02.25

母校で語った「実践デジタル歯科」の現在地

母校で語った「実践デジタル歯科」の現在地

こんにちは、最近、なかなか多忙で、ブログを投稿するテンポが遅れ、反省しております。理事長の小室暁です。

昨秋から、この2月まで、本当にいろいろな活動をしてまいりました。デジタル歯科、臨床研修、インプラント、様々ありますが、本日は、その中から、デジタル歯科の講演についての話題を一つ、ご紹介します。

この1月、母校である大阪大学歯学部同窓会臨床談話会にて、講演の機会をいただきました。学会や歯科医師会とはまた違い、母校での講演はやはり特別なものがあります。学生時代を過ごした場所で、臨床の積み重ねを言葉にして伝える時間は、どこか原点に立ち返るような感覚がありました。

今回のテーマは「実践デジタル歯科~機器の選択と使いこなしのエッセンス~」。2時間半にわたり、日常臨床におけるデジタル歯科の “リアルな現在地” についてお話ししました。

講演はまず、デジタルデンティストリーの概論からスタートしました。歯科におけるデジタル化は単なる機器の導入ではなく、診療と医院運営の両方に関わる大きな変化です。その中心にあるのがCAD/CAMという技術であり、スキャン(データ取得)、CAD(設計)、CAM(製作)という流れが基本になります。この基本構造を理解することが、すべての入り口になると考えています。

次に、デジタル歯科の基盤となるスキャンについて整理しました。現在は口腔内スキャナー(IOS)を中心に、モデルスキャナーやフェイススキャナー、さらにはCTや顎運動データなど、多層的なデータ取得が可能になっています。これらのデータを統合することで、補綴だけでなく矯正、インプラント、咬合診断、カウンセリングなど、さまざまな分野への応用が広がっています。

続いてソフトウェアの話に移りました。近年のソフトウェアは単なる“型取り装置”ではなく、クラウド、設計ソフト、シミュレーション機能を含めた統合プラットフォームへと進化しています。補綴設計だけでなく、矯正シミュレーション、患者モニタリング、AIによる解析など、ソフトウェアの役割は急速に拡大しています。ここをどう理解するかが、機器選択の大きな分岐点になると感じています。

CAM領域では、ミリングと3Dプリンティングの位置づけについて整理しました。切削加工は依然として補綴分野の主軸ですが、3Dプリンターの進化により、模型、ガイド、プロビジョナル(仮歯)、義歯領域まで応用が広がっています。特に3Dプリンターは導入ハードルが比較的低く、デジタル歯科の入口として非常に有効な選択肢であることを強調しました。

また、デジタル機器は「何ができるか」だけでなく、「どう使うか」が重要です。講演では、補綴、矯正、インプラント、カウンセリングといった臨床応用の具体例を提示し、それぞれの機器の特徴を整理しました。例えばIOS一つをとっても、補綴設計、矯正診断、う蝕リスク評価、患者説明ツールとして多面的に活用できます。機器単体ではなく、“役割”で捉えることが重要だと考えています。
導入方法については、あえて現実的な視点でお話ししました。すべてを一度に導入する必要はありません。まずはIOSを使いこなすこと、次にソフトウェア理解、そして必要に応じてCAM機器へと進む。この段階的なアプローチが、多くの医院にとって現実的だと思います。また、院内技工の有無、外注ラボとの関係性、スタッフ構成、医院コンセプト、予算によって最適解は変わるという点も強調しました。

そして最後にお話ししたのが、チームアプローチの重要性です。デジタル歯科は決してドクター一人で完結するものではありません。技工士、衛生士、スタッフが関わることで、初めてその価値が最大化されます。当院でも最初は限られたメンバーからのスタートでしたが、スキャニングやカウンセリングへの応用を通じて、徐々にチーム全体へと広がっていきました。デジタルは技術であると同時に、組織文化でもあると感じています。

母校でこのような内容をお話しできたことは、大きな喜びでした。学生時代には想像もしていなかった未来ですが、臨床の現場で積み重ねてきた経験を、少しでも次の世代や同世代の先生方と共有できたのであれば嬉しく思います。

デジタル歯科は、これからも確実に進化していきます。しかし重要なのは、技術そのものではなく、それをどう臨床に落とし込むかだと思います。今回の講演が、参加された先生方にとって何か一つでも新しい視点につながっていれば幸いです。

最後に、今回機会を与えて下さった平野裕之会長はじめ、同窓会の先生方に、感謝致します。

そして何より嬉しったのは、当日同級生が集まってくれたことです。終了後、同級生と久しぶりに食事をともにし、近況報告や昔話に花を咲かせました。本当に、思い出深い一日となりました。

TOP
TEL:06-6623-2401 日曜・祝日診療 診療時間 10:00~13:00、14:00~20:00TEL:06-6623-2401 日曜・祝日診療 診療時間 10:00~13:00、14:00~20:00 初診予約初診予約 LINE無料相談LINE無料相談 メール相談メール相談