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2019.05.17

歯髄について

本日は、歯髄のお話をさせていただきます。歯髄は、歯の1番内側にある構造物で、1番表面のエナメル質やセメント質、象牙質に囲まれた、歯髄腔という空洞の中にある組織です。歯髄は、主に血管や神経で出来ていて、根尖孔と言う、根の先の穴から、歯の中へ入ってきています。この神経は、主に歯がしみるという症状とか、歯を削ったときに痛いとか、そういった時に反応する神経で、歯に対する危害が及んだときに主に痛みとして感じられる神経です。また、歯髄の中の血管は、歯に栄養を送っており、これらが送る栄養がなければ、歯は枯れ木のような形になってしまいます。また、虫歯になったとしても、痛みを感じないため、虫歯などの病気が重症化しやすい状態となります。

ですので、若い患者さんほど、当院ではできるだけ歯髄を残す形で歯の治療を行うように心がけています。最近では、虫歯をとっている途中に少し歯髄が露出しても、レジンや、MTAと言うセメントを使って、上手に残すことができるようにもなってきています。そうして残した歯髄の上を、きちんと封をして、最終的にレジンや、セラミックで歯と一体化する形で封鎖すると、長持ちすると言われています。

仕方がなく、歯髄除去してしまわなければいけない時もありますが、その時も、最近ではマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などを使い、より確実なチェックが可能になってきました。時々、歯の神経を取った後なのに、歯の周りが痛いのはなぜか、と言う質問を受ける時がありますが、歯には、歯の根の周りに、歯根膜と言う膜があり、その中にも神経が通っているため、歯の周りに炎症があると痛みが起こることがあります。この時には、主に噛むと痛い、と言うような症状が起こることがあります。この歯根膜の神経は、我々がものを噛むときの噛む力や、噛むスピードなどを検知して、脳に伝える重要な役割があり、顎の周りの筋肉の中の神経、顎の関節などの神経を総合的に判断して、我々が物を食べるとき、食べたものの大きさや硬さなどにも応じた適切な顎の動きをできるようにしているのです。

歯髄を含め、我々の口の中は、非常に細やかな神経の情報に基づいた、繊細な調節のもとに成り立っていますので、我々歯科医師もそのことを自覚して、日々治療に当たりたいと思っています。