矯正治療を考えている方は、ネットで見た、聞いたことがある方がいらっしゃるかと思います。
オンラインで矯正無料相談をさせて頂く機会があるのですが、その際に、この「ブラックトライアングル」についての質問が良くあります。
ですので、今回は「ブラックトライアングル」についてご説明します。
歯と歯・歯茎の間に黒い隙間ができるブラックトライアングルとは
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間、そして歯ぐきのラインに囲まれた部分にできる三角形の隙間のことを指します。
口の中は暗いため、この隙間が黒く見え、三角形に見えることから「ブラックトライアングル」と呼ばれています。
特に前歯の部分にできると、笑ったときや会話中に目立ちやすく、
「歯並びはきれいになったのに、隙間が気になる」
「以前より老けた印象に見える気がする」
といったお悩みにつながることがあります。
ブラックトライアングルは、**歯ぐきが下がること(歯肉退縮)**や、歯の形・歯並び、歯周病、加齢、矯正治療後の変化など、さまざまな要因によって生じます。
特に矯正治療では、歯が重なっていた部分が綺麗に整うことで、これまで見えなかった隙間が目立つようになる場合があります。
見た目の問題だけでなく、ブラックトライアングルがあることで食べ物が詰まりやすくなり、磨き残しが増えると、虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。
そのため、ブラックトライアングルは審美面とお口の健康の両方に関わる症状といえます。
ブラックトライアングルが出来る要因
①歯肉炎、歯周病によるもの
「久しぶりに歯医者で歯石を取ってもらったら、歯ぐきが下がって歯と歯の間が空いた気がする」
このように感じたことはありませんか?
これは、炎症によって腫れていた歯ぐきが、歯石除去によって引き締まり、本来の健康な状態に戻ったために起こる現象です。
磨き残したプラーク(歯垢)は細菌の塊で、そのまま放置すると石灰化して歯石になります。
歯石は歯ブラシでは取ることができず、歯科医院での専門的な清掃が必要です。
歯石が付着した状態が続くと、歯ぐきに炎症を起こし歯肉炎となり、さらに進行すると歯を支える歯槽骨が溶ける歯周病へと進行します。
この炎症の原因を取り除くことで歯ぐきは引き締まり、歯槽骨のラインまで下がるため、結果としてブラックトライアングルが現れることがあります。
②加齢によるもの
加齢とともに歯槽骨や歯周組織の代謝・回復力は徐々に低下していきます。
その影響で歯ぐきが下がり、歯と歯の間に隙間ができ、ブラックトライアングルが目立つようになることがあります。
③ブラッシングによるもの
間違った歯みがきを続けていると、歯ぐきに過度な刺激が加わり、歯肉退縮を引き起こす原因になります。
「しっかり磨こう」とするあまり、強い力でゴシゴシ磨いたり、毛の硬い歯ブラシを使用している方は注意が必要です。
プラークは、歯ブラシの毛先が正しく当たっていれば、軽い力でも十分に除去できます。
取り切れない汚れは、無理に自己処理せず、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアに任せることが大切です。
特に矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、正しいブラッシング方法を身につけることが重要です。
そのため、ブラッシング指導を丁寧に行っている歯医者・矯正歯科を選ぶことが、ブラックトライアングル予防にもつながります。
➃矯正治療によるもの
歯が重なって生えている部分では、歯ぐきも重なり合い、隙間が目立たない状態になっていることがあります。
これを矯正治療によって正しい歯並びに整えると、今まで見えなかった歯と歯の間の隙間が目立つようになり、ブラックトライアングルとして認識されることがあります。
また、歯を動かすスピードに対して歯槽骨の再生が追いつかない場合、歯ぐきが下がってしまうこともあります。
そのため、矯正治療では歯の動かし方や治療計画を正確に立てることが非常に重要です。
近年、マウスピース矯正(インビザライン)やワイヤー矯正の普及により、矯正治療を行う歯科医院は増えていますが、矯正治療は高度な専門知識と技術が求められる分野です。
矯正歯科医院を選ぶ際には、日本矯正歯科学会に認定された医師が在籍しているかどうかも、判断基準の一つとしておすすめします。
当院では5名の日本矯正歯科学会認定医が担当医制で矯正治療を行っています。
ブラックトライアングルの治療方法
1、歯の形を整え、矯正治療で隙間を埋める
矯正治療と併用して良く行われるIPR(インタープロキシマルリダクション)とは、専用のヤスリで歯の側面をわずかに削って形を修正する方法です。
IPRによって出来た歯と歯の隙間を矯正治療で寄せたり、接触点を改善したりします。
メリット:
痛みが少なく、比較的手軽
デメリット:
削る量や動かし方に限界があるので、改善しない場合もある
2、ダイレクトボンディング(コンポジット材による隙間埋め)
ダイレクトボンディングは、歯の形を整えながらコンポジットレジン(歯科用樹脂)を直接盛り付けて隙間を埋める治療法です。型取り不要で、その日のうちに形と色を整えることができます。
メリット:
基本的に1回の治療で改善できる、歯をほとんど削らない
デメリット:
経年劣化での変色や割れ、摩耗がある
3、セラミック等の被せ物で歯の形や角度を調整する
これは歯の形や大きさをセラミックで調整することで、歯と歯の接触点を下げ、隙間を目立ちにくくする治療法です。前歯の形や大きさにもコンプレックスがあり、同時に見た目を整えたい場合に選択されることがあります。
メリット:
審美性が高く、経年劣化が起こりにくい
デメリット:
歯を削る必要がある。費用がかかる。
4、歯周治療・メンテナンスによる進行防止
歯周病が原因でブラックトライアングルが生じている場合は、まず歯周治療を優先します。
炎症を抑え、歯ぐきを健康な状態に保つことで、これ以上ブラックトライアングルが進行するのを防ぐことができます。
ブラックトライアングルの予防と再発防止
ブラックトライアングルを予防・再発させないために最も重要なのは、歯ぐきを健康な状態で維持することです。
歯ぐきが下がる原因の多くは、歯周病や間違ったセルフケア、強引な矯正治療にあります。
定期的な歯科検診とクリーニングで正しいブラッシング方法を身につけ、歯周病を予防することが最も重要です。
そして、ブラックトライアングルを防ぐためには、「どこで矯正治療を受けるか」「どこで定期検診を受けるか」が非常に重要です。
矯正治療と歯周管理を同時にしっかり行ってくれる歯科医院を選ぶことで、治療後の見た目と健康の両立が可能になります。
もし、ブラックトライアングルになった場合は ?
ブラックトライアングルは、下の前歯にできやすい傾向があります。
これは、下の前歯が他の歯に比べて、根元に向かって細くなる逆三角形のような形をしているためです。
歯の先端同士は接触していても、根元部分に向かうにつれて隙間が広がりやすく、ブラックトライアングルが生じやすくなります。
下の前歯の根元は、意識して見ない限り目立ちにくい部分のため、「そこまで気にならない」と感じる方も少なくありません。
そのため、見た目や清掃性に問題がなければ、無理に治療を行う必要はないケースもあります。
一方で、ブラックトライアングルが大きく、見た目や食べ物の詰まりが気になる場合には、改善できる治療方法もあります。
「自分の場合はどの程度できるのか知りたい」
「すでにブラックトライアングルがあり、治療が必要か悩んでいる」
そのような方は、お一人で判断せず、ぜひお気軽にご相談ください。
LINE相談や無料オンライン相談にて、状態に合わせたアドバイスをさせていただきます。
万が一、ブラックトライアングルを放置した場合は?
虫歯のように放置していると痛みが出るような病気ではありません。
ですが、ブラックトライアングルがあることによって見た目の問題だけでなく、食べ物が詰まりやすくなったり、磨き残しが増えるなどが起こりやすいです。
そうなると、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
ブラックトライアングルの治療をしない場合は、歯科衛生士から適切なブラッシングやケア方法を聞き、行ってください。
よくある質問
ブラックトライアングルが自然に治ることはありますか?
基本的に、一度できたブラックトライアングルが自然に元に戻ることはほとんどありません。
原因となる歯並びや歯ぐきの状態を改善しない限り、隙間はそのまま残ることが多いため、気になる場合は歯科医院での相談がおすすめです。
矯正すると必ずブラックトライアングルができますか?
必ずできるわけではありません。
ブラックトライアングルができるかどうかは、歯の形・歯並び・歯ぐきや歯槽骨の状態、治療計画によって大きく左右されます。
事前にリスクを把握し、IPR(歯の形態修正)や歯の動かし方を工夫することで、目立ちにくくすることが重要です。
ブラックトライアングルの治療は痛いですか?
ほとんどの場合、強い痛みはありません。
IPRやダイレクトボンディングは麻酔を使わずに行えることも多く、治療中の負担は比較的少ない方法です。
不安な場合は事前にしっかり説明を受けることができます。
ブラックトライアングルを完全に消すことはできますか?
隙間の大きさや歯・歯ぐきの状態によって異なります。
小さなブラックトライアングルであれば目立たなくすることは可能ですが、無理に完全に埋めようとすると歯や歯ぐきに負担がかかる場合もあります。
見た目と健康のバランスを考えた治療が重要です。
ブラックトライアングルは再発しますか?
歯周病の進行やセルフケア不足、加齢などで再発する可能性があります。治療後も定期的なメンテナンスと正しい歯みがきが大切です。











